ニシアフリカトカゲモドキの飼い方
”人気の爬虫類と言えばヒョウモントカゲモドキが1番”というのは今も昔も変わりませんが
ここ数年で人気が急上昇しているのが”ニシアフリカトカゲモドキ”です。
そんな今や大人気のニシアフリカトカゲモドキですが、飼育書などはまだまだ少ない状況でもあります。
今回はニシアフリカトカゲモドキの飼育法について解説していきます。
生息地
ニシアフリカトカゲモドキはアフリカ大陸西部を中心に生息します。
現在は主にトーゴから野生個体が輸入されています。
現地は年間を通して温暖で23℃~32℃で推移します。
日本とは暑い時期と涼しい時期は反対で最も涼しい時期が8月、併せて最も降水量が少ないのもこの8月です。
ヒョウモントカゲモドキは中東地域に生息するトカゲモドキですから、生息地をとっても全く別物であることが分かると思います。
飼育ケージ
ニシアフリカトカゲモドキの最大全長は20~25㎝程度で昼夜を問わずあまり動き回ることはありません。
飼育ケージは”レプタイルボックス”や”レプティギア”などの幅約30㎝程度のものから始めることができますが、広くて悪いことは特にありません。
上記のサイズを必要最低限のサイズとして飼い方に合ったケージを選ぶと良いです。
温度管理
前述のようにニシアフリカトカゲモドキの飼育適温は30℃前後です。(ケージ内の温度勾配を含めると25~30℃)冬眠させる場合などを除けば常にこの気温を維持する必要があります。一般的なご家庭ではケージに対して保温もしくは保冷対策を施さなければ維持は困難です。そこで、各メーカーから爬虫類専用の保温器具が販売されています。
パネル式になっていてケージの下に敷いて使用するものが最も一般的で、ケージ上部に取り付けることでケージ内の空気全体を暖めるものもあればライト式になっていてケージ内を局所的に暖めるものもあります。試用するケージに応じてこれらの保温器具を使い分け、適切な温度管理を行います。
一方夏場に屋内が高温になる時には逆に保冷対策が必要となります。仕事や学校などで昼間に自宅を空けることが多い方もいらっしゃるかと思いますが、昼間の室内は意外と高温ですしニシアフリカトカゲモドキを含むあらゆる動物において高温環境は生体に致命的なダメージを与えます。1日を通して飼育適温を大きく上回らない場所があれば良いですが、ない場合にはエアコンなどを用いて気温を下げます。
また、温度管理に欠かせないのが温度計です。現状の温度を正しく把握しなければ対策のしようがありません。必ずケージ内に温度計を設置します。
餌
ニシアフリカトカゲモドキは基本的に肉食です。飼育下では餌用に繁殖された昆虫やそれらを冷凍もしくは乾燥させたもの、専用の人工飼料を与えます。ベビーの時には成長に栄養が必要となるため毎日食べるだけの餌を与えますが、成長しきったら数日から1週間に一度餌を与えます。アダルト個体に過剰な餌を与えてしまうと肥満を引き起こし寿命を縮めてしまいます。可愛さから餌を沢山与えたくなるものですが生体のためにも餌は適度に与えましょう。
また、本種の幼体は特に食べすぎによる死亡例が多いように感じます。成長期こそ餌の与えすぎは注意が必要です。
ハンドリング
ニシアフリカトカゲモドキが人気を博した理由の一つに性格の良さがあげられます。
近縁のヒョウモントカゲモドキと比較するとおっとりとした性格の個体が多いように感じます。
しかし、前提として”爬虫類を触ることは生体に対して影響は1つもない”ということを覚えていなければいけません。
彼らはヒトに触られことで喜ばしく感じることは断じてありませんし、少なからずストレスを与える行為です。
特に幼体ではたった1回のハンドリングから調子を崩していくこともあります。
ハンドリングは必要最低限の留めるべきです。
一方で、掃除を行う場合などハンドリングが必要になる場面をあります。以下で、ハンドリングの際の注意点をまとめます。
尻尾で持ち上げない
尻尾に強い刺激を与えると自切してしまいます。切れた尾は再生しますが不格好です。
握らない
逃げないようにと握ってしまうと怪我につながります。手のひらを這わせるように触ります。
(バタつく個体に関しては背中側をそっと親指で抑えるようにして持つと良いです。)
躊躇しながら触らない
躊躇せずにスムーズに取り上げることで生体に与えるストレスを最小限に抑えます。
餌の前後に触らない
そこまで神経質ではありませんが餌の直前は拒食、餌の直後は吐き戻しの原因となります。
むやみなハンドリングは生体に負荷をかけるだけでなく、噛みつかれる原因にもなります。お互いが嫌な思いをしないようにポイントを押さえて行いましょう。